◆卵使わずオムライス
5月23日、大阪府吹田市で食物アレルギーを持つ子供の保護者や教育関係者を対象に、「食物アレルギー教室」と「食物アレルギーセミナー」(大阪ガス、日本ハム共催)が開かれた。
食物アレルギーに詳しい国立病院機構福岡病院小児科医長、柴田瑠美子さんの講演などの後、料理教室が開かれた。アレルギーを持つ子供と家族11組21人が参加。メニューは、オムライスや野菜のグラタン、サラダ、カップケーキ。卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに−のアレルギーの原因となる特定原材料7品目は使われていない。そのため、オムライスの薄焼き卵は、ゆでたカボチャとジャガイモで代用、グラタンのホワイトソースの代わりには豆乳やコーンスターチ、てんさい糖を利用するなどの工夫を凝らした。
参加者の一人、渡邊優子さん(37)は3歳の長男が卵アレルギー。食事前、「卵入ってない? 食べてもいい?」と聞いてくるという。「オムライスを食べるのも初めて。こんなアイデアをもっと早く知っていたら」と驚く。
日本ハムは、食物アレルギーに対応した食品開発に取り組んでいる。平成9年には食物アレルギーに対応したウインナーなど3品を発売。19年には特定原材料7品目を持ち込まない専用工場を稼働させ、現在ではブランド名「みんなの食卓」で、ハムやハンバーグ、ウインナーなどを販売している。
小麦グルテンを一切使わずにふんわりとした食感が楽しめる「米粉パン」も開発し、1月からインターネットを中心に販売を始めた。同社の米粉パンは加熱しなくても食べられるため、「初めてサンドイッチを食べた」と喜ぶ子供もいたという。
◆バイキングも人気
子供も大人も大好きなバイキング形式のレストラン。最近、ホテルで、食物アレルギーに対応したバイキング料理を楽しもうというイベントが始まった。
食物アレルギーに対応したレストランやホテルなどをインターネットで紹介する「安心外食.com」を運営するマテル・オフィス(埼玉県越谷市)が企画。3月に初めて千葉県内のホテルで実施したところ好評で、今月19日には関西のホテルでも実施(申し込みは終了)、3回目も計画中だ。
親族の食物アレルギーがきっかけで会社を立ち上げた社長の永野由実さんは「バイキングの楽しさを味わってもらえるだけでなく、社会的にも食物アレルギーへの理解が深まれば」と話している。
■年齢で変わる原因物質
摂取して2時間以内に症状が出る「即時型」と呼ばれる食物アレルギーの場合、その原因となる食物は年齢とともに変化している。厚生労働省の研究では、0〜6歳で最も多いのは「鶏卵」。7歳以上は「甲殻類」だった。なお、「えび」「かに」については、今月4日から、これらを原材料とする加工食品について表示の義務付けが完全施行されている。
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